対象車両: マツダ・デミオ(型式:DBA-DE3FS/エンジン型式:ZJ)
走行距離: 20万km超
今回の作業: 異音診断、オルタネーター交換
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重要: エンジン始動中の異音診断では、ベルトやプーリーへの巻き込まれに十分注意してください。回転部に手や工具を近づけない、衣服や髪をまとめる、安全な作業場所を確保するなど、無理のない範囲で作業してください。不安がある場合や発電系統に異常がある場合は、整備工場へ依頼してください。
この記事で分かること
•デミオで発生した「ゴロゴロ音」の症状
•サウンドスコープを使った異音診断
•オルタネーターを疑った理由
•オルタネーター交換後に分かったこと
•ウォーターポンプのガタに気づいた経緯
•後編のウォーターポンプ交換へどうつながったか
デミオで発生した異音
車検で預かったのは、走行距離20万kmを超えたマツダ・デミオ(DBA-DE3FS、ZJエンジン)です。
預かった時点で、エンジンルームから「ゴロゴロ……」という鈍い音が出ていました。アクセルを踏んでエンジン回転数を上げると音も大きくなり、車内にも響いてきます。
20万kmを超えた車両ですから、どこかのベアリングが「そろそろ私も見てください」と言っていても不思議ではありません。とはいえ、音だけで部品を決めつけるのは危険です。まずは音の発生源を確認することにしました。
1. サウンドスコープで異音を確認
ボンネットを開け、周囲の安全を確認してエンジンを始動します。回転部に手を近づけないよう注意しながら、メカニック用のサウンドスコープを各部に当てて音を聞き比べました。
プーリー周辺を確認していくと、オルタネーターから特に大きな唸り音が聞こえます。サウンドスコープを当てた瞬間、「犯人は私です」と名乗り出ているような響き方でした。
ただし、オルタネーターのすぐ近くには別の補機類もあります。近い場所にある部品同士では音が反響するため、聞こえた場所と本当の発生源が一致するとは限りません。

↓今回使用したサウンドスコープはこちら
サウンドスコープは異音診断の手がかりになりますが、これだけで原因が確定するわけではありません。音の変化、ベルトを外した状態での回転感触、プーリーのガタなども合わせて確認します。
2. オルタネーターを交換することにした理由
オルタネーターは発電を担当する部品です。内部のベアリングなどに異常がある状態で使い続けると、異音だけでなく発電不良や走行不能につながる可能性があります。
今回はオルタネーターから大きな唸り音が聞こえたことに加え、走行距離も20万kmを超えていました。出先で発電不良になるリスクを減らすため、オルタネーターをリビルト品へ交換することにしました。
3. オルタネーターをリビルト品へ交換
部品が届いたため、ファンベルトを外してオルタネーターを取り外します。DBA-DE3FSのこの周辺はスペースが限られており、取り外しは少し知恵の輪のような作業になりました。
作業前にバッテリーのマイナス端子を外し、オルタネーターのB端子を触る際のショートを防ぎます。コネクターや配線の位置を確認し、無理な力をかけないように本体を取り出します。
リビルト品を取り付けた後は、次の点を確認しました。
•オルタネーターが確実に固定されているか
•B端子とコネクターが正しく接続されているか
•ファンベルトがすべてのプーリーに正しく掛かっているか
•ベルトにねじれや外れがないか
•バッテリー警告灯が点灯していないか
•異音と発電状態に変化があるか


4. オルタネーター交換後の結果
エンジンを始動し、回転数を変化させて確認します。
オルタネーターから出ていた唸り音は、交換前より明らかに小さくなりました。ここまでは、「よし、原因を見つけた」と思える結果です。
ところが、室内に響いていた本命の「ゴロゴロ音」は残っています。
「えっ、まだいるの?」という感じです。
どうやら最初に聞こえた異音は一つではなく、オルタネーターと別の補機類がそれぞれ音を出していたようです。オルタネーターの異音は改善しましたが、これで全て解決というわけにはいきませんでした。
5. ウォーターポンプのガタに気づく
オルタネーター交換作業では、ベルトを外した状態で周辺のプーリーを一つずつ手で回し、回転の感触や軸方向のガタを確認していました。
その時、オルタネーターのすぐ隣にあるウォーターポンプのプーリーに、わずかなガタと気になる感触がありました。
その場では「少し気になるな」という程度でしたが、オルタネーターを交換してもゴロゴロ音が残ったことで、この違和感が重要な手がかりになりました。
ZJエンジンではオルタネーターウォーターポンプが近い位置にあります。そのため、ウォーターポンプのベアリング音が周囲に反響し、サウンドスコープではオルタネーターが一番大きく鳴っているように聞こえた可能性があります。
つまり、今回の異音は次のような状態でした。
•オルタネーター:唸り音を発生していた
•ウォーターポンプ:ベアリングにガタがあり、ゴロゴロ音の主な原因だった
•近接した位置にあるため、最初は音源の判断が難しかった
6. 前編の結論:異音の犯人は一人ではなかった
今回、オルタネーターを交換したことで、オルタネーターから出ていた唸り音は改善しました。しかし、室内に響くゴロゴロ音は残りました。
そこで、オルタネーター交換時に気づいていたウォーターポンプのガタを手がかりに、残った異音の原因をウォーターポンプ側と判断しました。
最初から一発で原因を当てられたわけではありません。部品を交換した後の変化を確認し、残った症状をもう一度追いかけたことで、次の原因にたどり着きました。
異音診断は、車との地道な会話のようなものです。車はしゃべりませんが、音とガタでちゃんとヒントを出してくれます。
ただし、この時点ではウォーターポンプを交換していないため、ゴロゴロ音が完全に消えるかはまだ分かりません。次の記事でウォーターポンプを交換し、エア抜きまで行います。
後編:ウォーターポンプ交換へ
オルタネーター交換後も残ったゴロゴロ音を、ウォーターポンプ交換で解消した実例はこちら
作業を中止して整備工場へ依頼する目安
次のような場合は、無理にDIYを続けないでください。
•バッテリー警告灯が点灯している
•ベルトが外れた、切れた、ほつれている
•冷却水が漏れている
•水温が上がっている
•異音が急に大きくなった
•プーリーに大きなガタがある
•回転部へ安全にアクセスできない
•車両を安定して固定できない
異音は放置すると、発電不良、オーバーヒート、ベルト切れなど別のトラブルにつながることがあります。症状が強い場合は、走行せずロードサービスや整備工場へ相談してください。


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